「夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定について最高裁は『合憲』」

  6月24日の新聞には「夫婦別姓が認められなかった」ことについての記事が載りました。人権教育として、主権者教育として生きた教材になります。

 『あけぼの』の「ジェンダー平等を実現しよう」のページには、「 結婚で夫の姓にする割合 96.0% 2018.12(内閣府)」の数値が掲載されています。

 『活用の手引」には、次の解説を載せました。

 「…これは、夫婦別姓(夫婦別氏)の問題とも関係する。日本では民法750条によって夫婦が同氏となることが義務づけられているが、日本も賛成して国連で採択された「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」では、夫婦別氏の導入が要求されている。国連の女子差別撤廃委員会は、日本の民法が定める夫婦同氏が「差別的な規定である」と勧告。」

「今国会の法案提出は見送られたが…LGBTQ理解へ信州教育の一歩」

 6月16日の信濃毎日新聞に、標記の見出しで、『あけぼの』に「性の多様性について考えよう」の教材を追加したことが紹介されました。

 学校の先生たちが基本的な教材研究や研修をすれば、それぞれの学校現場で学習を進められるということを念頭に編集しました。

 信毎の記事には、当事者の方から「先生にも生徒にも取り組みやすいはず」「当事者が自分の性を生きていていいと内容がないのが残念」「性的少数者が自分はおかしいのではないかと悩むことがないよう、当事者を大切にし、生きていいというメッセージを発信してほしい」というこれからの取組の方向を明らかにする大切なご指摘がありました。

 

人権読本『あけぼの 人間に光あれ』6訂版に訂正箇所があります

 人権読本『あけぼの 人間に光あれ』6訂版は、発刊から2か月た経って現在まで、結構評判もよくて、外部から「ここが問題」というご指摘はないのですが、冊子の中に間違いを3ヶ所見つけました。大変申し訳ありません。訂正をお願いします。

P32 下部の写真  障がい者用等駐車場(誤)→障がい者等用駐車場(正)

P59 一番下の行  2001年には(誤)→1998年には(正)

P81 上から4行目 エイズHIV)(誤)→エイズ(AIDS)(正)

 教材作りでは多くの方にご協力いただいたのですが、最後の校正は事務局長清水の責任で行いました。大事な箇所なので、どうしてまちがえてしまったかとがっくりでしたが、自分の能力ではここまでかと思ったりもしました。今後、特に、生徒が間違って理解しないよう学校等へお願いしていく予定です。

戦争がなく人権が尊重される未来のために

 5月4日の朝日新聞に「毒のデマ 100年経てよみがえる」と「軽い発信 軽んじられる歴史」という見出しで、ツイッター上の投稿についての記事がありました。歴史の学習が大事だなーと改めて感じました。

 『あけぼの 人間に光あれ』には、満蒙開拓の教材がありますが、改訂にあたり、県立歴史館の福島さんの次の文章を掲載させていただきました。

 …「過去」に対して正確な認識を持ち、「現在」起きている事象と重ね合わせ、「未来」を考える。歴史を理解していかなければ、自分の言葉で未来は語れない。特に若者には、足元の信州の歴史を学んで深く理解し、戦争がなく、人権が尊重される、よりよき未来を語れる主権者となってほしい。

「インクルーシブ」という概念について

 『学びの本質を解きほぐす』(池田賢市著 新泉社)を読んでいたら、「インクルーシブ教育とは、障害の有無ばかりでなく、性別や国籍、成績の良し悪し、また家庭の経済状態など……どんな子どもでも排除されることがなく、ともにいることができる教育のあり方を指す言葉である。」とあり、フランスの例を紹介していました。日本では、国連の障害者権利条約からインクルーシブの概念が広がったと思いますが、知らない話でした。

NHKスペシャル「子どもの学びは守れるか」再放送が今晩(4月27日)あります

 午前0:25からなので録画がいいかもしれません。

 大阪の公立中学校で、多様な背景をかかえた子どもたちが、先生たちだけでなく、同級生や地域の人たちに支えられながら、学びを獲得していく姿がえがかれていました。制服への違和感から不登校になっていた生徒が、自分自身を語れるって目指す学校の姿だとと思ったり、不利な環境の下で頑張っている子に地域の支援がはいっているところもすごいと思いながら見ました。厳しさと豊かさを感じる番組でした。こうした実践のレポートが、今年の全国人権・同教育研究大会(新潟大会)に集まってくるはずですが…開催できるといいのですが。

「ヤングケアラー」への教職員の意識について

 厚労省の調査発表を受けて、4月13日、14日と、「ヤングケアラー」についての報道が続きました。朝日新聞に第一面に「家族の世話を担う子中高生の20人に1人」の見出しで載っていました。「あけぼの 活用の手引」に掲載されている高齢者の人権を扱った教材の留意点には、十分ではありませんが次の記述を入れてみました。「自分を『ヤングケアラー』と認識している生徒もいるだろう。ケアの対象者は、きょうだい、母親の順に多く、祖父母は少ないとされているが、自分の経験と重ねながら考える生徒の存在を意識したい。」現場では、すぐに支援が必要な場合もあるかもしれません。外川正明さんの『教育事始』の冒頭にあったランドセルの言葉を思い出しました。「40人の子どもは、同じ教科書だけをランドセルに詰めてきているんじゃない。それぞれ40の生活を詰め込んで、それを背負って学校に来ているんや…」