子どもたちに語るための準備を

   文部科学省の「いじめの防止等のための基本的な方針」には、子どものいじめの背景として次の文章が載っています。
 「大人社会のパワーハラスメントセクシュアルハラスメントなどといった社会問題も,いじめと同じ地平で起こる。いじめの問題への対応力は,我が国の教育力と国民の成熟度の指標であり,‥異質な他者を差別したりといった大人の振る舞いが,子供に影響を与える‥。」
 現在新型コロナウィルスをめぐる影響の中で、私たちは、今まで隠れていた差別や偏見が社会に渦空いていることに戸惑い、しかし、自分の中にも差別の意識があることに気づきます。そして、多くの人たちが、差別の被害者になることを恐れながらも、加害者になるまいと日々模索しながら生活していると思います。
  教育にかかわる大人は、このような経験を子どもたちに語るための準備をしておく必要があります。自分の人権を守り他の人の人権を守るためにはどうしたらよいか学び合うことが、子どもたち一人一人の生き方の核になっていく、そういった学習になると思います。
 自分の人権を守り他の人の人権を守るための力を育む人権・同和教育が今こそ大切です。