『鬼女紅葉』(柴田道子作)について

 8月7日の人権リーダー養成講座で、韮澤さんが『鬼女紅葉』(柴田道子作)について紹介していました。この本を置いている図書館は少ないようですが、同推協には1冊残っています。お盆休みに読んでみました。最後の「維茂(これもち)軍には恐ろしい鬼女のすがたに見えたのです。ところが、‥戸隠山の裏に戦いを避けていた人たちには、そのすがたは菩薩のすがたとなった美しい紅葉姫の顔でした。‥地が裂け雲に乗った紅葉は地中深く沈んでいきました。」という場面が印象的です。鬼女紅葉は鬼無里の土の中に、人々の中に生きている、そういった終わり方です。

 韮澤さんの資料によると、横田雄一さんは、この作品について「柴田道子の思想的到達点が含蓄されている」「活動し、考え、書いてきた柴田道子の全生涯の芸術的到達点といえるのではないか」と「柴田道子追悼第二集」に書いています。